木を見て森を見ず。自分の身体を最大限に生かすには
昨今、筋トレ、ストレッチ、コンディショニングの方法などSNSやYouTubeなど情報にありふれています。
肩こりだとこの筋肉をほぐすと効果がある、この筋肉が要因で筋トレに支障が出てるかもなど、そう言った情報を提供しているケースは多いと思います。
例えば、肩が内側に入っているいわゆる巻き型の人は胸の筋肉が縮こまっているので胸をほぐしましょう。
確かに間違いではありません。
実際にほぐす事で和らぐ事もあるかと思います。
ただこの場合、胸をほぐすだけで巻き型が改善されるかと言われたらそうでないケースがほとんどです。
胸だけをほぐすは一時的に改善されている場合が多いでしょう。
そもそも巻き型になった要因があるでしょうし、胸が硬くなったことで他に影響が出てることもあるでしょう。
だからといって関係する筋肉を全てほぐすという事は非常に効率の悪い方法だと筆者は思います。
可能性の高い箇所にフォーカスするというのも時間がかかるのではないかと思います。
身体というのは個々の筋肉の動きはシンプルですが、それが集合体として動く事で複雑になります。
複雑が故に、色々なアプローチができ、色々な情報があります。
これが正解だというものは無く、あくまでも一つの要因に過ぎません。
筋トレも同じです。
対象とする筋肉だけに負荷をかけるという事はできません。
人間の身体は動作するにあたってメインとなる筋肉はありますが、他の筋肉も働く事で動かす事ができます。
例えばベンチプレスは主に胸の種目です。
胸がメインに働きますが、肩や腕、背中など色々な筋肉も働いております。
筋肥大を目的としてやる場合、胸だけに効かせたいと思いますが、他の筋肉も使ってる感覚があると言うのは自然な事です。
筆者が言いたいことは筋トレにおいては使う割合が大事だという事です。
ベンチプレスは胸を鍛える為の種目です。
胸の割合を7〜8割、残りを他の筋肉で上げるという事です。
これを胸に10割を目指すのでは考え方が非効率です。
割合は7〜8割で、その割合をキープし、重量を上げていく様なメニューが筋肉を付ける上で効率的ではないかと筆者は考えます。
胸が4割、肩が3割、残りの筋肉で3割だとフォームに問題があるでしょう。
この場合は、胸に7〜8割になる様フォームの修正が必要となります。
人間の身体は一つの筋肉で動くのではなく、色々な筋肉が一緒に働いてます。
それが人間本来の自然な動きです。
一つの物に固執してしまうと上手くいかないことは多いように思えます。
いわゆる木を見て森を見ずという状況です。
アームカールの様なシンプルな動きでも色々な筋肉が使われます。
人間本来の自然な動きに抗うのでは無く、それに沿って筋トレやコンディションをする事で最大限に効果が得られるはずです。
筋トレでは、全身の連動性を使って重りをあげる事で最大限に負荷を掛ける事に繋がります。
ただし、全身の連動性を使うのですが対象の筋肉に負荷が抜けてしまっては意味がありません。
それではただ単に全身で重りを上げているだけです。
先ほど伝えたように、筋肉への割合は7〜8割にした状態で全身の連動性を使って重りを上げるという事です。
コンディションにおいても同じです。
明らかに硬くなっている筋肉はピンポイントでほぐす事は必要です。
ただし、それで終わるのではなく背骨を中心に身体全体を整える事で硬くなってしまった部位の負担を軽減する事ができます。
昨今だと、リリースボールやフォームローラーなどを使って特定の部位の筋肉をほぐす事が流行っています。
このような道具を使用して筋肉をほぐす事自体は良いと思います。
しかし、ほぐすだけで終わってしまっている事がほとんどでないでしょうか。
一時的にほぐれる事でよくなりますが、また時間が経てば硬くなる事がほとんどです。
そうならない様に、道具などで筋肉をほぐした後に身体全体を整える事で人間本来の自然な動きを取り戻すことができます。
身体全体を整える方法として、ヨガ、操体法、胴体力があります。
胴体力は身体の使い方のトレーニング方法ですが、整える事にも繋がると筆者は考えます。
どちらも身体全体を中心としてます。
全身を使うからより大きな効果を得ることができます。
一つの筋肉だけに絞ってしまうとそれだけの効果しか生まれません。
もし、筋トレが停滞してしまっている、身体の調子が良くならないと悩んでいる方は一つの筋肉、部位だけにこだわるのではなく、もっと大きな視点で考えてみて下さい。
身体は機械のようにこの部品が壊れたから直すのでは上手くいきません。
全身で捉えて、身体の連動性を最大限に生かして考える事で人間本来の動きをする事ができるでしょう。